2月末以降、限定的になりがちな活動ですが、こんな時だからこその得難い経験も。
10月某日。
関西学院のM先生から一本の電話あり、聞けば「高等部 "クリスマス礼拝" の音楽を弾いてほしい」との依頼。
130年の歴史を誇る同校。
例年高等部のクリスマス礼拝では、全生徒1200人が集って賛美歌を歌い、グリークラブや吹奏楽部が "礼拝音楽" を担当するのが伝統だそうです。
今年はコロナ渦の影響大きく、全国のミッション系スクールが次々とリモート礼拝への切り替えを余儀なくされる中、「礼拝なくして関学(クワンガク)なし」との誇り高さで、ひと学年400人ごとに分けた3回の礼拝を行う決断をされました。
依頼を受け、思いついたのはチェロとのデュオ。
近年室内楽等で活躍顕著なチェリスト・中島紗理さんに声をかけると、初めての共演にも関わらず、また詳細が何も決まらぬうちに、実に気持ちのよい気さくさで応じて下さいました。
多少の編曲をほどこし、礼拝中の音楽を数曲。
中でも最初の一曲、静寂の中、深々とした無伴奏チェロの旋律から始められる「Veni Veni Emmanuel(久しく待ちにし)」に場の空気が一変し、なにかが宿るのを感じました。
歌わないクリスマス。
舟木譲院長が礼拝説教で引用された関学の理念のひとつ、「Keep this holy fire burning(この聖なる火を絶やさぬように)」という戦時中の言葉を、音楽家として静かに噛み締める、特別な時間でした。
そして26日には、神戸のバイブルハウスにて、「クリスマスさんびの集い」に出演します。
初共演の皆様と、シューベルトのピアノ五重奏「鱒」などを演奏予定です。
詳細は Concert Activities へどうぞ。